前回の記事では、私自身の1年半の経験から「ジェンスパーク(Genspark)とは?」という全体像を紹介しました。
ただ、一人の使い方だけでは、ジェンスパーク(Genspark)の活用事例の幅広さは伝えきれません。
そこで今回は、Genspark公式ブログの「User Story」シリーズから、実際の利用者がどんな使い方をしているのかを10事例まとめて紹介します。
エンジニア、Web制作者、経営者、教育者、映像クリエイター、金融、マーケティング、イラストレーター、IT担当者、大企業の営業チームまで、業種も規模もバラバラです。
「ジェンスパークって結局どう使えばいいの?」という方は、自分の仕事に近い事例から読んでみてください。
ジェンスパーク(Genspark)の活用事例を3行でまとめると
- 誰が使っている? エンジニア、Web制作者、教育者、マーケター、大企業の営業チームまで業種はさまざま
- 何に使っている? 資料作成・画像や動画の生成・アプリ開発・業務自動化など、単一の機能ではなく複数を組み合わせて使用
- 成果は? 案件対応数が3倍、資料の初稿作成が4時間→35分など、具体的な時短・効率化の報告が多数
目次
- ジェンスパーク(Genspark)の活用事例は、公式User Storyを見るとよく分かる
- 複数のAI契約をGensparkにまとめたエンジニア
- CSSやJavaScriptを書けなかったWeb制作者が案件数を約3倍に
- 600人の営業組織でコミッション処理を自動化
- コード未経験の教育者が13個以上のアプリや教材を作成
- 一人では作れなかった映画をGensparkで制作
- 金融インターンが何千もの公的資料をAIで調査
- マーケティングの専門家が、自分でソフトウェアまで作れるようになった
- イラスト制作の企画時間を30分から10分に短縮
- 6人のITチームが25個以上の社内ツールを開発
- CBREが競争入札の資料作成にGensparkを活用
- User Storyを読むと、ジェンスパーク(Genspark)の活用事例に共通する特徴が見えてくる
ジェンスパークって実際どんな人が、どんな風に使ってるんですか?
ジェンスパーク(Genspark)の活用事例は、公式User Storyを見るとよく分かる
当然ながら公式が選んだ成功事例なので、全員が同じ成果を出せるという意味ではありません。
それでも、実際にどんな使い方をしている人がいるのかを知ることは、これから使う人にとってかなり参考になると思います。
複数のAI契約をGensparkにまとめたエンジニア
スイスのITシステムエンジニア、Damien Lienert氏は、もともとClaudeとChatGPTのPro、画像生成APIなど複数のAIサービスを使っていました。
困っていたのは、AIの性能というより、契約、APIキー、料金体系、インターフェース、レート制限などがバラバラになっていたことです。
Gensparkを使うようになってからは、画像生成、動画、AI Slidesなどを一つの環境へまとめ、ClaudeとChatGPTのPro契約もやめてGenspark中心へ移行しています(Genspark公式ブログより)。
これは、私が考えるGensparkの強みをかなり分かりやすく表した例だと思います。
私はまだClaude CodeやChatGPTも個別に使っていますが、「AIサービスが増えすぎて面倒」という感覚はよく分かります。
AIのサブスク費用がじわじわ増えていく感覚については、個人事業主のAI課金リアル事情でも整理しました。
公式User Story:From Scattered Tools to One Platform
CSSやJavaScriptを書けなかったWeb制作者が案件数を約3倍に
Todd Bogert氏は、これまでに8,000以上のWebサイトを制作してきたベテランのWeb制作者です。
この8,000サイトをGensparkで作ったわけではなく、Gensparkを使う以前から長年Web制作をしてきた人です。
一方で、自分ではCSSやJavaScriptを書けず、細かな実装はパートナーに頼る必要がありました。
Gensparkを使い始めてからは、ライブプレビューを見ながらHTML、CSS、JavaScriptを生成できるようになり、それまで他の人へ頼んでいた仕事も自分で対応できるようになりました。
本人によると、同時に扱える案件数は少なくとも3倍になったそうです(Genspark公式ブログより)。
コードが分からなくても、実際の画面を見て、
「ここを変えて」
とAIに頼める。
Gensparkのアプリ・Web開発の分かりやすさがよく出ている事例だと思います。
Gensparkで作ったサイトを実際に公開する方法は、こちらの記事でも比較しています。
公式User Story:How One US Navy Veteran Built 8,000 Websites and Never Stopped
600人の営業組織でコミッション処理を自動化
26歳のSeve Ortale氏は3社を経営し、600人の独立系営業担当者を管理しています。
以前は案件情報がJotformからSlackへ届くと、人間が担当者のコミッション比率を調べ、スプレッドシートへ入力し、マネージャーの関与やランキングなども手作業で更新していました。
そこでGenspark Clawを使って「Goose」というAI Chief of Staffを作成。
現在はSlack、Notion、Xeroなどと連携し、コミッション管理、タスク振り分け、毎朝のブリーフィング、広告費とROASのレポート、通話後のタスク登録などまで自動化しています。基本的な連携は30~40分程度で構築したとされています(Genspark公式ブログより)。
かなり大規模に使っているため、本人はGensparkに月約4,000ドル使っています。
一般ユーザーとは規模がまったく違いますが、Gensparkが単なるチャットAIではなく、実際の業務を動かすところまで使える例として面白いです。
私は業務効率化ツールを作る仕事もしていますが、こういう「毎日誰かが繰り返している作業」を消す用途はAIとかなり相性が良いと思います。
公式User Story:26歳の経営者がAI Chief of Staffを構築した事例
コード未経験の教育者が13個以上のアプリや教材を作成
Aaron氏は教育者、カウンセラー、コーチとして働いており、もともとコードを書いた経験はありませんでした。
Gensparkを使うようになってから、13個以上のアプリ、Webサイト、教育シミュレーションなどを作っています。
特に面白いのが、ホームスクール中の5歳の娘のために作った数学学習サイトです。
毎日のミッション、コイン、ストーリー、キャラクター、音声まで入れた専用の学習サイトを作り、実際に娘さんがそこで引き算を学んだと紹介されています。
ほかにも歴史や生物の授業シミュレーション、学生管理、性格診断など、かなりいろいろなものを作っています(Genspark公式ブログより)。
私はこの事例が結構好きです。
以前なら、利用者が自分の娘一人しかいないアプリに開発費をかけることはまずありません。
でもGensparkなら作れる。
会社でも「社員3人しか使わないからシステム化するほどではない」と放置されている仕事がたくさんあります。
AI開発によって、そういう小さな専用ツールまで作れるようになってきています。
公式User Story:コード未経験の教育者が13個以上のアプリを作った事例
一人では作れなかった映画をGensparkで制作
映像クリエイターのEuiseok Oh(DESO)氏は、AI映画「THE PROPHET JONAH」をほぼ一人で制作しています。
もともと映像制作をしていましたが、本格的な映画には多くのスタッフや予算が必要で、一人では始められない仕事でした。
さらにAIを使うようになってからも、検索、企画、翻訳、画像、動画など5~6種類のサービスを行き来することが負担になっていました。
Gensparkでは、一つの会話でアイデアを詰め、世界観やキャラクターを設定し、画像を生成し、そこから動画用プロンプトを作り、KlingやVeoなどを使って映像化する流れを作っています。
同じ会話の中でプロジェクトの文脈を維持できるため、キャラクターの一貫性を保ちやすい点も評価しています(Genspark公式ブログより)。
私はInstagramの動画制作にも関わっていますが、動画生成そのものより、企画、素材作り、構図、画像、動画を行ったり来たりする部分が結構大変です。
一つの場所でそれをつなげられるというGensparkの強みは、クリエイティブ系の仕事でもかなり大きいと思います。
Gensparkの動画生成そのものについては、こちらの記事で詳しく検証しています。
公式User Story:映画監督DESOがGensparkで一人制作した事例
金融インターンが何千もの公的資料をAIで調査
金融分野では、Luca氏というインターンの事例があります。
投資候補を調べるには、政府データベース、許認可資料、規制文書、PDF、市場情報など、大量の資料を確認しなければなりません。
人間がすべて読むのは現実的ではありません。
そこでGensparkを使い、公的データや資料を調査し、条件に合いそうな案件を抽出し、さらに投資メモ、財務モデル、Excel、スライドなどの初稿まで作るワークフローを構築しました。
最初の仕組みは約5時間で作り、その後2週間ほど改善。数千件の公的記録を調査し、複数の投資候補を見つけています(Genspark公式ブログより)。
こういう「人間でもできるけれど、量が多すぎて現実的にできない」仕事は、Super Agent系の機能がかなり向いていると思います。
しかも調査して終わりではなく、Excelやスライドなど人間が確認できる成果物まで作れるところがGensparkらしいです。
公式User Story:金融インターンが公的資料から投資候補を探した事例
マーケティングの専門家が、自分でソフトウェアまで作れるようになった
Daniel Marama氏はデジタルマーケティングのコンサルタントです。
広告運用、コピーライティング、顧客獲得については詳しく、「顧客にはこういう仕組みがあれば良い」と分かっていました。
ところが、開発が必要になると自分では作れません。
外部の開発者へ依頼するか、近い機能を持ったSaaSを探すしかありませんでした。
Gensparkを使ってからは、買収予定のピザ店向けに、AI電話受付、顧客管理、休眠顧客へのSMS、ロイヤリティ、広告計測、レビュー誘導、KPIダッシュボードなど8つの機能を持つ店舗運営システムを自分で構築しています(Genspark公式ブログより)。
これは私も仕事柄かなり共感できる事例です。
営業やマーケティングをしていると、
「こんなツールがあればいいのに」
と思うことは結構あります。
以前ならそこで終わりでしたが、Gensparkなら自分で作って顧客へ見せるところまで持っていけます。
コンサルタントや小規模事業者にとっては、できる仕事の範囲そのものを広げられる可能性があります。
私自身も、GensparkでSNSアプリを1週間で開発した記録を残しているので、非エンジニアでもここまで作れるという参考になると思います。
公式User Story:マーケティングコンサルタントがソフトウェアを作った事例
イラスト制作の企画時間を30分から10分に短縮
イラストレーターのJin-ho Jung氏は、年間6冊の本を制作し、1冊につき100~200枚ほどのイラストを描いています。
もともとイラスト1枚に約60分かかり、そのうち30分がテーマの理解、資料探し、構図決めなどの企画時間でした。
Gensparkを使って参考画像や構図案を作ることで、この30分が約10分になりました。
完成したAI画像をそのまま使うのではなく、あくまで参考資料として使い、最終的なイラストは自分で描いています。
1日に10枚描く場合、約200分の短縮になります。また、以前は30分で3~4案程度だった構図候補を、10分ほどで10案以上見られるようになったそうです(Genspark公式ブログより)。
さらにJung氏がGensparkを使い続けている理由として、新しいモデルが出たときに追加される速度も挙げています。
これは先ほど私が書いた「Gensparkを使っているとAIの進化についていきやすい」という感覚にもかなり近いです。
SNS画像や動画を作る場合でも、AIに完成品を全部任せなくても、企画や構図を考えるところだけ任せるだけで十分役に立ちます。
公式User Story:イラストレーターが1日200分短縮した事例
6人のITチームが25個以上の社内ツールを開発
企業の業務効率化で特に面白いのが、FICOFIのCIO、Jerome氏の事例です。
会社は約120人ですが、ITチームは6人。
プロジェクト、ヘルプデスク、インフラ、セキュリティなどを担当しながら、社内からは「こんなツールが欲しい」という要望も来ます。
通常なら、仕様書を作り、外部業者を探し、見積もりを取り、契約して、数週間から数か月待つ必要があります。
そこでGenspark AI Developerを使って、自分たちで社内ツールを作るようになりました。
現在までに25個以上。
社内スケジュール、ワイン推薦、物流比較、HR評価システムなどを作り、PDF処理ツールについては約2時間で開発して、それまで使っていた有料Acrobatライセンスを置き換えたとされています(Genspark公式ブログより)。
私は業務効率化アプリも作っていますが、個人的にはこの事例がGensparkの可能性をかなりよく表していると思います。
会社には、
「わざわざ開発会社に頼むほどじゃないんだよな」
という仕事が大量にあります。
そのためExcelの手作業のまま10年使っていたりします。
現場の人自身がGensparkに、
「この作業をこうしたい」
と伝えて簡単なツールを作れるなら、今までシステム化の対象にならなかった仕事まで改善できる可能性があります。
中小企業がAIをどう業務に組み込むかについては、こちらの記事でも事例別にまとめています。
公式User Story:CIOが25個以上の社内ツールを作った事例
CBREが競争入札の資料作成にGensparkを活用
最後は大企業の事例です。
商業不動産大手CBREのMoran Teamは、競争入札の提案準備にGensparkを使っています。
不動産提案では、市場データを集めるだけでは足りません。
その数字を整理し、ストーリーを組み立て、グラフや表を作り、クライアントが判断できる資料にする必要があります。
同チームでは、Gensparkを使って稼働率、テナント候補、競合物件などを分析するダッシュボード、通勤時間・公共交通の分析、市場ポジション比較などを作成しました。
公式事例では、調査サイクルが40%短縮、初稿作成が4時間から35分へ短縮され、最終的に競合する複数の仲介会社との競争を勝ち抜いて専任契約を獲得したと紹介されています(Genspark公式ブログより)。
もちろん「Gensparkを使ったから案件を取れた」と単純化することはできません。
それでも私はGensparkのスライド機能をかなり評価しているので、営業の実務で、
調査 → 分析 → 資料
までまとめて使われているのは興味深いです。
営業では「明日の打ち合わせまでに資料を作って」と言われることもあります。
こういう場面で資料作成の初動を大きく短縮できるのは、かなり実用的だと思います。
画像生成AIを営業資料に活かす方法は、こちらの記事でも紹介しています。
公式User Story:CBREが競争入札でGensparkを活用した事例
こうして見ると、本当に業種も規模もバラバラですね。
User Storyを読むと、ジェンスパーク(Genspark)の活用事例に共通する特徴が見えてくる
公式の事例をまとめて見ると、Gensparkの使い方はかなりバラバラです。
Web制作をする人もいれば、映画を作る人もいます。
社内システムを作るCIOもいれば、投資案件を調査する人、営業資料を作る人、娘専用の学習アプリを作る人もいます。
それでも共通しているのは、一つのAI機能だけを使っている人が少ないことです。
調べる。
考える。
画像を作る。
資料にする。
アプリにする。
既存のサービスと連携する。
こうした仕事をGensparkの中でつないでいます。
ここを見ると、ジェンスパークとは「ChatGPTの代わり」と考えるより、
複数のAIを使いながら、実際の仕事を最後まで進めるためのAIワークスペース
と考えた方が分かりやすいと思います。


