概要
2026年6月18日をもって、Gemini CLIおよびGemini Code Assist IDE拡張機能は、個人向けの利用区分でリクエスト処理を停止しました。これまでGemini CLIを日常的に使っていた開発者にとっては、後継となる「Antigravity CLI」への移行が避けられない状況になっています。
何が起きたのか
Googleは、個人利用者向けのGemini CLIを終了し、Antigravity CLIへ移行する方針を発表しました。Antigravity CLIは、複数エージェントの並列実行と非同期ワークフローを前提に設計されたツールで、単発の対話補助にとどまらない、複数タスクを並走させる使い方に対応しているです。
移行できる項目、できない項目
移行にあたって重要なのが、何がそのまま引き継げて、何が手動での再設定が必要になるのかという区別です。GEMINI.md(プロジェクト単位の設定ファイル)と、グローバルに設定したAgent Skillsについては、そのまま移行できるです。一方で、ワークスペース単位のSkills・Extensions・MCPサーバーの設定については、手動での再設定が必要になるようです。
具体的な移行手順
実際の移行作業は、大まかに次のような流れになるようです。
- Antigravity CLIをインストールする。macOS/Linuxであればターミナルで公式のインストールスクリプトを1行実行し、Windowsの場合はPowerShellから同様にインストールスクリプトを実行する
- 初回起動時にブラウザが自動的に立ち上がるので、Googleアカウントでログイン(OAuth認証)を済ませる
- 「agy plugin import gemini」というコマンドを実行し、Gemini CLIで使っていた拡張機能や設定を新しいプラグイン形式に変換する
- 「agy doctor」コマンドを実行し、環境が正常にセットアップされているかを確認する
ここで大事なのは順番です。先にAntigravity CLIのインストールとインポートを完了させてから、古いGemini CLIをアンインストールするという流れで進めると、移行作業がスムーズになるです。逆の順番で進めてしまうと、参照すべき設定ファイルが先に消えてしまい、インポートがうまくいかなくなる可能性がありそうです。
つまずきやすいポイント
移行作業でよく報告されるつまずきが、「agy」コマンドが認識されないというトラブルです。この場合はターミナルを再起動し、PATHが正しく通っているかを確認する必要があります。また、移行コマンド実行時にエラーが出る場合は、旧Gemini CLIの設定ファイル(「~/.config/gemini-cli/」または「~/.gemini/」)が破損していたり、そもそも存在していなかったりしないかを確認するのが第一歩になりそうです。移行で失敗しやすいのは、インストールそのものよりも、古い設定や自動化スクリプト、チーム内のルールを放置してしまうことだとも指摘されています。
コミュニティの反応
この移行については、開発者コミュニティの中でも賛否が分かれているようです。Antigravity CLIはクローズドソースのGo言語で書かれたツールであり、比較的オープンソース色の強かったGemini CLIから見ると、後退した印象を持つ開発者もいるという声があります。移行を進める前に、自分の開発ワークフローがAntigravity CLIで本当にカバーされるのか、事前に確認しておくとよさそうです。
実際に移行して開発してみた事例
実際にGemini CLIからAntigravity CLIへ移行し、Cloud Run向けのアプリを開発してみたという事例によると、Antigravity CLIは複数エージェントの並列実行に対応しているため、Gemini CLI時代よりも大きめのタスクを一度に投げても処理が破綻しにくくなったという体感が得られたようです。
まとめ:移行前チェックリスト
Gemini CLIからの移行を控えている場合は、次の点を確認しておきましょう。
- GEMINI.mdとグローバルのAgent Skillsはそのまま移行できる
- ワークスペース単位のSkills・Extensions・MCP設定は手動での再設定が必要
- 「agy」コマンドが認識されない場合はターミナル再起動とPATH確認
- 移行エラー時は旧設定ファイルの場所と存在を確認する
- 古い自動化スクリプトやチームルールも忘れずに棚卸しする
ツールの終了は突然やってくるものですが、事前にこうしたポイントを押さえておけば、慌てずに移行作業を進められそうです。